フロムはたくさん持っている人が豊かなのではなく、たくさん与える人が豊かなのだと言った ※書籍紹介

こんにちは。

 

無事2月もブログが書けそうです(ギリギリ)。いろいろと書きたい内容みたいなものはぼんやり頭の中にあるんですが、なかなかひとまとまりの文章に落とし込む、というのがまだまだすんなりできません。

コツをつかむにもたぶん書いてみるしかないと思うのでとりあえず指を動かしている次第です。

 

前回の記事で先月、試験勉強中に読書がしたい!!!という気持ちがあふれていた旨を投稿しましたが、今月はその抑圧もあってかいつも以上に読書に取り組め、今5冊目を読んでいます(そしてひと息つき進まなくなっている)。

その中で本当に読んでよかった!!と思えた一冊があったので、メモがてら紹介したいと思います。

この世界がどのようにできているかを理解するための重要なレイヤー

GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代

room.rakuten.co.jp

 

ギブ&テイクという言葉はよく聞きますが、それぞれの人で基本的対応・戦略としてとるギブとテイクの割合は異なってくると思います。自分がもらう以上に人に与える、つまりギブが多いのがギバー、ギブとテイクのバランスを取ろうとするのがマッチャー、テイク、すなわり自分の取り分を多くしたいのがテイカーという具合にです。

この3者それぞれの考え方の理由や、その方針ごとの行動の結果なにが引き寄せられるかといったことを論じた1冊です。

端的に言うと成功する人にはギバーが多い、なぜなら無条件に人にたくさん与えるような人は、与えられたたくさんの人たちが自ら望んで自分が持つリソースから恩返しをする結果、トータルでみると非常に大きな恩返しを受けることに結果としてなりがちである。

それに加えそういった「よい人である」という評判がこの情報社会では昔に比べてもより一層強い武器になっている。

一方で自分のことばかり考えていたらその逆もしかり、というような内容なんですが、日本では情けは人の為ならずということわざもあるので話の内容としてはとてもとっつきやすいかと思います。

 

読んでよかったと一番思えたポイントは、なんであいつはあんな気に障る言動をとるんだ…みたいな日々の不満の原因が言葉で説明され、モヤモヤしないですむようになれた点です。

 

脳が一つあるというのは宇宙が一つあるということ

どこにでも一人はいると思いますが、主観を全集中で抜いてごく客観的に見てなお特別優れているような部分が見当たらないけれども、どうやらその人自身は自分自身という存在を富士山頂よりも高い場所においていて、ええと、いったいどなた様目線でいらっしゃいますか…?というような発言や行動を繰り返す人に対して、うまく説明できないしんどさを感じることがちょいちょいありました。(愚痴っぽいですね、すみません)

 

別に自信があること自体はよいことだと思うし、みんなが謙虚でつつましくなければならないなんて思ってもなければ押し付けるつもりもないですが、「な~~んでそういう言動が起きるのか、そしてそれをしちゃって平気なのか」が理解できなくて、そういう場面に遭遇すると「あーーーーわたしたちはただ別の宇宙に、別の宇宙にいるだけなんだよ…」と自分に言い聞かせるしか術がありませんでした。

もちろんすべての人に当てはまるわけではないでしょうけれど、そういったじぶんがいままでわからなかったことが言語化して説明されたことでストンと腑に落ちた、というところが非常に自分にとって有益でした。

 

個人的に、世界がどのようにできているかを理解したり説明するには、一本の物差しだけでは測れないんだということを子供から大人になるにつれて理解し、たくさんの世界に触れることでその物差しを増やしていくものだと思っています。

そういう意味で世界のつくりを理解するためのギバー、マッチャー、テイカーという分け方による新しいめがねを得て、世界の解像度が上がったと言ってもいいかと思います。

 

そして作者のいう通り、この本を読むときに多分どなたでも読み進めながらあの人はまさしくギバーだな、と知り合いを思い浮かべて読むことになるかと思いますが、私もまさに身の回りのギバーを思い浮かべながら読みました。

そしてその人が普段からしていること、考えていることともたしかに書かれていることとぴったり合っていて、なぜ自分はその人にこんなにも自然に感謝し隙あらば助けたいと思っているのか、なにがその人を素晴らしい人だと思わせるに至っているのかもこの新しいレイヤーで整理し受け止めることができたように思います。

 

そのように世界に対する視点が増えると、自分がどのように生きていくかという方針も新たに立てやすく、そして実行しやすくなるようにも感じました。

成功する人のルールを理解するための本という風にも紹介されたりする本書ですが、むしろ人の行動のとらえ方を整理し、無意味に傷つくことをやめられ、自分の行動を振り返り今後歩みたい人生を考えるのに役に立つ本かなと思いました。

 

この本を読みながら気になったことを一つ上げると、テイカーのひとって往々にして自己評価が客観的評価から大きく離れている高いことが多い(※個人の見解です)ように思うので、たぶんこの本読んだら自分のことギバーだって思いながら読むんだろうな、というところです。確認するすべもないですけどね。

 

この先どのように生きていくかは私たちに選べる数少ないこと

慌てる乞食は貰いが少ないというのもこの本の説くところと通じる言葉だと思いますし、投資でも失わないことばかり考えるとかえって失う結果になることが多いのがこの世の中の不思議なところですね。

自分がもらうことばかり考えないで、まわりへの感謝を忘れずに、自分がいて少しでもよりよい世の中になったかもなぁと思えるような行動を選んでいきたいなと思いました。